どの化粧水をつけてもすぐにカサついて乾燥する……そう悩んでいませんか?
もしそうなら、保湿成分とバリア機能を高める成分が足りていないのかもしれません。
この記事では、乾燥肌をしっとりとうるおいで満たしてくれる高保湿化粧水を紹介します。どれもコスメジャーナル編集部が実際に試して肌チェッカーで水分値を測り、テクスチャーを分析して調査をした、自信を持っておすすめできるものばかり。
本当に乾燥を防げる実力派の高保湿化粧水が見つかりますよ。
Contents
保湿化粧水を選ぶときのポイント
乾燥肌を保湿するときの鍵となるのは、
- 肌に効率的に保湿してくれる成分
- バリア機能を高めてくれる成分
この2つが重要です。これからその2つについて詳しく見ていきましょう。
保湿力の高い成分
よく肌を保湿するために水分をたっぷり与えましょう!と推奨されますが、それだけでは不十分。水分は蒸発してしまうので、肌に水分を与え、それを保持する力が強い成分であることが大切です。
例えば、肌のうるおいをキープする代表的な成分は以下の通り。
コラーゲン | 肌内部にうるおいを与える |
ヒアルロン酸 | 肌の水分を保持する |
アミノ酸 | 角層の中で水分を抱え保持するNMFを構成 |
コラーゲン、ヒアルロン酸、アミノ酸は、いずれも角質層の水分を保つ働きをするので、これらの成分を補給することがとても大切です。
(このほかにも、グリセリン、BG、シロキクラゲ多糖体など、たくさんの保湿成分があります。)
いずれの成分も、ナノ化されている分子量が小さいものほど皮膚に浸透しやすいため、「ナノ化」「浸透型」という名前がついているものはより効果が高いと考えましょう。
バリア機能を高める成分
肌のバリア機能とは、肌表面の角質層がうるおいを蓄えて皮脂膜で覆われることで、肌から水分が蒸散するのを防ぎ、紫外線やほこり、摩擦などの外部刺激から守る役割のこと。
肌のバリア機能が乱れていると、いくら外からうるおいを与えても逃げていってしまいます。肌のバリア機能を改善するには、セラミドが最適な成分です。
セラミドはもともと人間の肌に存在する成分ですが、年齢とともに減少してしまいます。そのため、セラミド配合の基礎化粧品で補うことがバリア機能改善には欠かせません。
セラミドは、ラメラ構造という水分と油分が交互に層をなしている構造を作っています。これが規則正しく配置されていると、油分で水分をぎゅっと挟み込んで逃がさないので、キメが細かくうるおった健康な肌になるのです。
一口にセラミドと言っても種類はさまざま。おすすめは人の肌に存在するセラミドとよく似た構造で肌に浸透しやすい「ヒト型セラミド」です。
ヒト型セラミドは12種類あり、「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」で表示されています。すべてを覚える必要はありませんが、「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」がヒト型セラミドであると理解しておけばよいでしょう。
(※セラミドの科学的名称が「セラミド+数字」から「セラミド+アルファベット」に変更されていますが、改称が段階的に進んでいる状況のため、両者が混在している背景があります。)
旧称 | 改正名称 |
セラミド1 | セラミドEOP |
セラミド2 | セラミドNG、セラミドNS |
セラミド3 | セラミドNP |
セラミド5 | セラミドAG |
セラミドの種類によって差はありますが、セラミドの基本的な役割は、角質層の水分を保持することによる保湿作用とバリア機能強化です。
配合量や使う人の肌状態によっても効果は変わるため、一概に「セラミド○が一番!」とは言えないのですが、成分表に「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」と書かれた化粧品を選べば間違いありません。
気をつけたい成分
乾燥肌さんが気をつけたい成分はエタノール(アルコール)です。アルコールを化粧品に配合することで、水や油に溶けにくい成分や香料を化粧品の中に溶かしたり、肌に残った皮脂や汚れを浮かして取ったりしてくれます。
しかし、アルコールには揮発性があり、蒸発するときに肌の水分も一緒に奪っていってしまう(気化してしまう)ので、乾燥肌さんは注意が必要です。
肌表面につけたアルコール入り化粧水がすぐに乾いてしまう場合、肌に浸透したのではなく、水分が蒸発してしまっているだけ、ということもありえます。
アルコール=悪者、ではありませんが、乾燥肌さんはアルコールを多く含む化粧品は避けた方がよいでしょう。
おすすめ高保湿化粧水ランキングTOP5
ここからは、乾燥肌さんにおすすめの高保湿化粧水をランキング形式で紹介します。
- 保湿力
- バリア機能UP力
- エタノール使用
…の3点を比較して、通販コスメ&プチプラコスメから選んだ最強の5品はこちらです。
→スマホはスクロールできます→
※上の表内の価格はすべて税込表記です。
アヤナス ローションコンセントレート(ディセンシア)
\ゆらぎがちな肌のバリア機能をサポート/
商品詳細
- ブランド名:ディセンシア
- 商品名:アヤナス ローション コンセントレート
- 価格:5,500円(税込)
- 内容量:125mL
- 特徴:保湿成分◎ バリア機能UP力◎
- テクスチャー:とろみ&しっとり
敏感肌用スキンケアのディセンシアから発売されているエイジングケア*シリーズ化粧水、アヤナス ローション コンセントレート。
とろみのあるテクスチャーが肌の上ではじけてすっと浸透し、ふっくらとした肌へ導きます。ヒト型セラミドをナノカプセル化した保湿成分「セラミドナノスフィア」が角層に広がり、足りないセラミドを補給。ゆらぎがちな肌のバリア機能をサポートしてくれます。
*エイジングケアとは年齢に応じたケアのこと
とろみのあるテクスチャーですが、つけた瞬間ぱしゃっとはじけてみずみずしく広がり、浸透します。
アヤナス ローション コンセントレートの口コミ
トロッとした濃厚な化粧水です。肌が敏感になっているときでもピリピリしないし、ちゃんとしみこんでくれるようで、しっとりうるおいます。乾燥で肌が敏感になりやすい人におすすめです。(20代後半/乾燥肌)
頬のちりめんジワが気になって、いろいろな乾燥対策をしても納得できるものには出合えなかったのですが、このローションを使うようになってから、シワが目立たなくなったばかりか、毛穴悩みも消えました。(40代前半/乾燥肌)
QuSomeローション(ビーグレン)
\17時間うるおいがとどまり続ける/

商品詳細
- ブランド名:ビーグレン(b.glen)
- 商品名:QuSomeローション
- 価格:5,500円(税込)
- 内容量:120mL
- 特徴:保湿成分○ バリア機能UP力△
- テクスチャー:さらさら
ビーグレンのQuSomeローションは、「17時間続く保湿効果」という驚異の保湿力を誇る人気化粧水です。
肌にじっくりと潤いを与えるホメオシールド、アッケシソウエキス、VCエチル(ビタミンC誘導体)、EDP3の4つのエキスが配合されており、ほんの少しの量でうるおいを与え、しっかりと長時間保湿効果を保ってくれます。

QuSomeローションにセラミド自体は入っていませんが、セラミドを生む司令塔に働きかける保湿型ビタミンC誘導体が配合されているのがポイントです。
この成分とビーグレンの技術によって、なんと通常の36倍もの浸透力を発揮!さらに一般的な化粧水は約15分しか潤いが保てませんが、QuSomeローションの水分貯蓄力は6倍と、圧倒的な保湿力を備えています。
QuSomeローションの口コミ
いろいろなメーカーの化粧水を使いましたが、やっぱりこれが一番です。ぐんぐん入っていく感じともっちり感は最高に気に入っています。きめ細かい肌になります!(40代前半/乾燥肌)
冬になるとおでこや頬が皮がめくれて粉吹き状態でカサカサでしたが、使い始めてから粉吹き知らずです。しっとり浸透しているのを実感できてます。(50代前半/乾燥肌)
エッセンスローション(ヒフミド)
\ヒト型セラミド1・2・3をトリプル配合/

小林製薬のヒフミド エッセンスローションは、3種類のヒト型セラミド(セラミド1・2・3)を配合した保湿化粧水です。角質層のすみずみまでうるおいで満たされ、手が肌に吸い付く感覚を味わえます。乾燥小じわを目立たなくする効能評価試験済み。
編集部おすすめのヒト型セラミド1・2・3が全て入っているのは高ポイント。ナノ化はされていませんが、ヒト型そのものの高い保湿力で乾燥を緩和します。リピジュアにはヒアルロン酸の2倍の保湿性があり、よりもっちりとした仕上がりです。
ディープモイスチュアローション(ライスフォース)
\ライスパワーNo.11エキス配合の薬用保湿化粧水/
商品詳細
- ブランド名:ライスフォース
- 商品名:ディープモイスチュアローション【医薬部外品】
- 価格:8,800円(税込)
- 内容量:120mL
- 特徴:保湿成分◎ バリア機能UP力○
- テクスチャー:しっとり
ライスフォースのディープモイスチュアローションは、「肌の水分保持能を改善する」と認められた成分・ライスパワーNo.11エキス配合の薬用保湿化粧水です。
ライスパワーNo.11エキス配合は、医薬部外品の効能として肌が水分を保つ力を改善する「皮膚水分保持能改善」を認可されています。
お米のほのかな香りととろみのあるテクスチャーで肌をやさしく包み、角質層のすみずみまでじっくり浸透して肌の内側*からうるおいのある肌へと導いてくれる化粧水です。
*肌の角質層のこと
エタノールが配合されているため、合う・合わないが分かれそうですが、乾燥改善に特化した化粧水なので、一度試してみる価値はありそうです。
スキンコンディショナー高保湿(セザンヌ)
\ドラッグストアで買えるプチプラならこれ!/
ドラッグストアで買えるプチプラコスメ、セザンヌのスキンコンディショナー高保湿は、乾燥から肌を守る高保湿セラミド化粧水です。
割合は少なめですが、ヒト型セラミド(セラミドAP・セラミドNP・セラミドEOP)のほか、ヒアルロン酸、アミノ酸が配合されており、この容量でこの価格はかなりコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
プチプラで高保湿の化粧水を探しているならイチオシです。
市販のプチプラ保湿化粧水
高保湿化粧水ランキングTOP5にも「セザンヌ スキンコンディショナー高保湿」が入っていましたが、プチプラながら保湿ケアができる化粧水はほかにもあります。
ドラッグストアで買える、手ごろな価格で試しやすい保湿化粧水はこちらです。
日本酒の化粧水 高保湿(菊正宗)
\コメ発酵液のチカラ/

菊正宗の「日本酒の化粧水 高保湿」は、セラミドと近い働きをする日本酒(コメ発酵液)が主成分の化粧水です。「日本酒の化粧水」に比べて少しとろみのあるテクスチャーで、浸透力もアップしているので、乾燥肌さんに向きます。
大容量&プチプラながら、微量ではありますがヒト型セラミドが配合されており、化粧水500mLに日本酒1升(1.8L)分の主要アミノ酸が入っている点も◎
日本酒の化粧水 高保湿の口コミ
酒造メーカーの化粧品ってどんな感じだろう、と試してみました。プチプラなので不安もありましたが、お風呂上がりの顔と体にバシャバシャつけています。これだけだと物足りないですが、乳液を重ねてつけるとかなりしっとりします。(30代前半/乾燥肌)
コットンパック用に買っています。コスパが良く、使用感も悪くありません。日本酒の香りは好みが分かれるかも?(20代後半/乾燥肌)
化粧水Ⅱ しっとり(花王キュレル)
\ピリピリしない!乾燥製敏感肌向け/

花王の乾燥性敏感肌向け化粧水「キュレル 潤浸保湿 化粧水 II しっとり」は、セラミドの働きを守り、肌荒れを防いで、しっとりみずみずしい肌へ導く保湿化粧水です。
保湿成分のほとんどをBGとグリセリンで補っています(セラミドは入っていません)。いずれも低刺激な成分で、香料や着色料、アルコールもフリー。“乾燥性敏感肌のためのスキンケア”というコンセプトに合っていますね。
効成分アラントインは抗炎症作用があるため、ニキビや肌荒れのケアにも◎
潤浸保湿 化粧水 II しっとりの口コミ
乾燥がひどく、何をつけてもピリピリしてしまっていた肌が、キュレルに変えたら安定しました。低刺激で保湿力があり、私の肌にはとても合っているようです。(30代前半/敏感肌)
ほかの化粧水をつけるとピリピリするときも、キュレルはピリピリしません。しかし、とくに保湿される感じもなく、肌の調子が良くなるわけでもないので、可も無く不可も無く…というのが正直なところです。(40代前半/乾燥肌)
ハトムギ化粧水(ナチュリエ)
\たっぷり使えて水分補給/
ナチュリエのハトムギ化粧水(スキンコンディショナー)は、肌にうるおいを与えてスキンコンディションを整える、天然保湿成分ハトムギエキス配合の化粧水です。惜しまずにたっぷり使えて水分補給ができると、一時期ブームにもなりました。
成分はシンプルで、保湿剤としてDPG(ジプロピレングリコール)、BG(1,3-ブチレングリコール)、グリセリン、ハトムギエキスが使われています。
さっぱりした使用感で、バリア機能を高めるには物足りない印象です。また、エタノールも配合されているので、ひどい乾燥肌の人には向かないかもしれません。
保湿力をカバーするなら、プレ化粧水として使う方法や、ハトムギ化粧水の後に乳液やクリーム、美容液などで潤いを補うお手入れが良いでしょう。
ハトムギ化粧水の口コミ
すごくサラッとしてるので多めに手に取るとこぼれてしまいます。水みたいなテクスチャーですが、たっぷり付けると肌がしっとりします。(20代後半/乾燥肌)
コスパ抜群の化粧水。顔だけじゃなく体にも惜しまずたっぷりバシャバシャ使えるのがいいです。ただ、さっぱりした使用感なので、化粧水後に乳液やクリームでの保湿ケアは欠かせません。(30代前半/乾燥肌)
無印良品 化粧水 敏感肌用(しっとりタイプ)
\刺激が少ない化粧水/

無印良品の化粧水・敏感肌用・しっとりタイプは、高保湿で知られるリピジュア、ヒアルロン酸、さらにバリア機能を高めるスベリヒユエキスやグレープフルーツ種子エキスなどを配合した化粧水です。ベースには岩手県釜石の天然水を使っています。
香料・着色・鉱物油・パラベン・アルコールは含まれていません。
リーズナブルなのに必要な成分をしっかり押さえているので、コスパの良い化粧水と言えるでしょう。ただし、比較的さらっとしたテクスチャーなので、ひどい乾燥肌でしっとり感を好む人は物足りないと感じるかもしれません。
化粧水・敏感肌用・しっとりタイプの口コミ
水みたいな感じで、さらっとしていました。安いし、バシャバシャ使えて重宝しているのですが、これだけだと保湿が足りない気がします。(30代後半/乾燥肌)
肌への刺激もなく、コスパも良くて、惜しみなく使えます。コットンパックにも便利です。これといった特別な特徴があるわけでなないですが、シンプルな化粧水で、何度もリピートしています。(30代前半/混合肌)
エイジングケアできる保湿化粧水
年齢を重ねるにつれ、肌悩みも増えていきます。乾燥には保湿が最優先なことは言うまでもありませんが、積極的なエイジングケアもしていきたい!という人におすすめの化粧水を紹介します。
アスタリフト モイストローション
\シミ・シワ予防に最適の保湿化粧水/

商品詳細
- ブランド名:アスタリフト
- 商品名:モイストローション
- 価格:4,180円(税込)/詰替用3,740円(税込)
- 内容量:130mL
- 特徴:保湿成分◎ バリア機能UP力△
- テクスチャー:しっとり
富士フイルムの化粧品ブランド「アスタリフト」のモイスチャーローションです。
薄くて繊細なフイルムに用いるナノ化技術を応用して、ビタミンやコラーゲンなどの粒子を小さくしているので、しっかり肌に浸透してくれます。
水溶性コラーゲン・浸透性コラーゲン・ピココラーゲンという3種のコラーゲンとヒアルロン酸に加え、紫外線の影響を弱くするアスタキサンチン、コラーゲンの生成をサポートするビタミンC誘導体が配合されているため、これからのシワやシミ予防には最適です。
バイタライジングローション(エトヴォス)
\アルガン幹細胞エキス×ヒト型セラミド/

セラミドスキンケアのエトヴォスのバイタライジングローションは、肌のバリア機能を整えてくれる成分がたっぷり配合された化粧水です。
モロッコの植物アルガンツリーの新芽からとれる幹細胞エキス 「アルガン幹細胞エキス」と5種類のヒト型セラミドが入っているのが大きな特徴で、肌が自ら肌のハリ・弾力に必要なコラーゲンやヒアルロン酸を生み出すチカラをサポートします。
そのほか、保湿成分の浸透型ヒアルロン酸、リピジュア®、シロキクラゲ多糖体、アミノ酸(天然保湿因子)が配合されている点も心強いです。しっかり保湿しながらエイジングケアもして、はずむようなハリ肌を目指せます。
ラグジュアリー・デ・エイジ リフティングローションEX V(アンプルール)
\未来の肌を育むリフティングローション/

商品詳細
- ブランド名:アンプルール
- 商品名:ラグジュアリー・デ・エイジ リフティングローションEX V
- 価格:6,600円(税込)
- 内容量:120mL
- 特徴:保湿成分◎ バリア機能UP力△
- テクスチャー:しっとり
アンプルールは肌の底力をUPする視点で開発されたドクターズコスメです。
発酵のチカラで肌の土台を整える「ライス発酵液」が高い浸透力で肌を満たし、他の美容成分のはたらきをサポート。浸透型コラーゲンやヒアルロン酸、プラセンタエキスなどのうるおい成分が、リッチな保湿感とハリを実感させてくれます。
浸透促進成分”アクアナビゲーター”が肌のバリア機能を一時的にゆるませ、有用成分の通り道をつくって、保湿・整肌成分が肌のすみずみまで浸透させるのが特徴。
ハリケア成分(GFブースター、植物幹細胞、セルフメンテナンスペプチド、DMAE)が入っているので、特にたるみの気になる人におすすめです。
乾燥肌が起こる原因
以下のような肌の変化を感じているのなら、乾燥肌になっているかもしれません。
乾燥肌チェック
- 肌がカサカサする
- 皮膚が突っ張る
- 皮が向けたり小じわができる
- 肌がかゆい
- 粉を吹いている
- 時間が経つとファンデーションが浮く
- 化粧水を何度重ねても乾燥する
何事も原因を探ることが解決への近道!まずはどうして肌が乾燥するのか?ということを、肌の構造も踏まえていま一度考えていきましょう。
お肌の潤いを守る3大因子
肌は何層にも重なってできており、一番表面にある、肌の潤いを守っている層を”角質層“と呼びます。これは、0.02mmというラップと同じくらいの薄さしかありません。
角質層の主な役割がこちら。
- 肌内部の水分蒸発を防ぐ
- 水分調節をコントロールする
- ウイルスや化学物質、紫外線などの外的要素から守る
角質層は細胞が何十層と重なっていて、角質細胞と細胞間を埋めている細胞間脂質というもので満たされています。
そして外的要素から守ってくれるのは、角質層に備わっている「バリア機能」。このバリア機能が正常に機能していれば、下図のように刺激を受けるリスクを最小限に抑えられます。つまり、乾燥しにくい肌をキープすることができるのですね。
角質層は潤いを保つ下記の3つのバリア機能を持った因子が肌の水分を守っています。
- 皮脂膜
- 表皮細胞にある天然因子
- 角質細胞間脂質
1)皮脂膜
汗腺から分泌された汗と皮脂腺から分泌された皮脂が混ざり合ってできた膜のようなもの。肌の表面を覆うように存在し、別名「天然のクリーム」と呼ばれます。
多すぎても少なすぎてもNGで、バランスが崩れるとニキビや吹き出物の原因に。年齢と共に減少します。
2)天然保湿因子
アミノ酸をはじめ、ピロリドンンカルボン酸、乳酸、ミネラルなどを含む成分の総称。「NMF」と呼ばれます。こちらも加齢によって減少するため、外から補うことが必要になります。
3)角層細胞間脂質
角層細胞間を満たし、水分を保持する役割を持ちます。そして角質細胞脂質の50%がセラミドという成分。細胞間脂質は接着剤のようなイメージで、角質細胞同士をくっつけています。減少すると粉ふきの状態になることも。
3大因子が減ると乾燥肌に!
これら3大因子が減ると、乾燥肌にまっしぐら。健康な肌は、角層に30〜50%の水分と、20〜30%の油分が保たれて初めて美肌と呼べます。もちろん季節や天候にも影響されますが、これらを踏まえてスキンケアをすると良いでしょう。
年齢と共に減少してしまう皮脂膜・天然保湿因子・角質細胞間脂質のバランスをいかに保てるかが、健康的でうるおった肌になるカギと言えます。
うるおいを守る3大因子が減る理由
そもそも、なぜ潤いを守ってくれるはずの3大因子が減ってしまうのでしょうか?主な原因はこちらです。
1)肌に合わないスキンケア
肌に合わないスキンケアは、乾燥を助長させるおそれがあります。また、洗浄力の高いクレンジングや洗顔料の使用や過度な洗顔は、必要な皮脂まで落としてしまうことに。
2)食生活の乱れ
極端なダイエットや偏った食事は、肌のターンオーバーの際に生まれるはずの細胞間脂質が十分に分泌されず、新たな肌細胞を生成しずらくなります。
3)睡眠不足
肌は睡眠中に生まれ変わります。6時間以上の睡眠が取れていない人や、昼夜逆転したような生活サイクルはターンオーバーの乱れに繋がり、細胞間脂質が十分に角層に存在しにくくなります。
4)加齢
加齢により、肌が生まれ変わる力が低下し、肌そのものに存在する保湿成分(セラミドなどの角質細胞間脂質)や皮脂の分泌量も減少します。足りなくなったものは、外か内から補う必要があります。
乾燥しない化粧水のつけ方
いくら良い化粧水を使っていても、肌へのつけ方が間違っていれば効果は半減してしまいます。自分のスキンケア法を振り返りつつ、3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1.手で優しくつける
化粧水はコットンと手、どちらでつけても良いのですが、乾燥肌さんは、「手」でつけるのがおすすめです。コットンには清潔に化粧水を浸透させられるメリットがありますが、コットンの繊維が肌を傷つけてしまうことがあります。
一方、手でつけると体温で化粧水が温められるので、化粧水の浸透力がアップ。下から上に向かって、顔を覆うように軽く押さえながらなじませていくのがポイントです。
ポイント2.何度も重ねて付ける
手で化粧水をつけるとき、1回だけだとムラが出やすいため、重ね付けをおすすめします。例えば3回重ね付けをしたい場合、目安にする適量を3回に分けてつけると良いでしょう。
このとき、塗りムラの多い小鼻の周りや目元、口元などは、1本の指の腹を使ってやさしくなじませてください。
もちろん、化粧水のあとは乳液やクリームを忘れずに。有効成分や水分を逃さないためにも、肌にしっかり蓋をしてあげましょう。
ポイント3.沁みるときは化粧水をお休みする
乾燥がひどい場合は、「化粧水が肌に沁みてツライ……」という人もいるかもしれませんね。肌が過敏になっているときなので、普段は問題なく使えていた化粧水も、刺激に感じてしまう場合があります。
そんな時は、思い切って化粧水の使用をお休みして、以下のようなアイテムを使ってみてはいかがでしょうか。
- ワセリン
- スクワランオイル
- 馬油
これらは化粧水のように肌にうるおいを与えるものではありませんが、油の膜を作ることで肌の水分の蒸発を防げます。
最低限の保湿・保護ケアと言えますが、肌が過敏になっているときは成分であれ摩擦であれ、ちょっとしたことが刺激になってしまうので、とにかくシンプルなケアに徹して、「なにもしない」ことを選びましょう。
乾燥肌を改善する生活習慣
超乾燥肌の原因はさまざまですが、「肌にとっていいこと」は肌質の改善にも繋がります。今すぐ実践できる改善法は以下のようなものです。
肌に優しい洗顔を心がける
乾燥肌の人は、特に乾燥が強いときは、比較的皮脂よごれの少ない朝の洗顔はぬるま湯のみで行うと良いでしょう。
また、クレンジング剤は、オイルタイプや拭き取りタイプは避けて、水分と油分のバランスがいいミルクタイプやジェルタイプ、クリームタイプのクレンジング剤がおすすめ。洗顔料も、脱脂力の高い石鹸よりもフォームタイプのがベターです。
↓乾燥肌におすすめのクレンジングや洗顔フォームは以下の記事をどうぞ。
◆乾燥肌におすすめのクレンジング19選!正しいクレンジング方法でうるおい肌に!
◆おすすめ洗顔フォーム9選!洗顔フォームの選び方と口コミ人気&タイプ別ランキング
乾燥に良い栄養を摂る
乾燥している肌は、角質層の水分や皮脂の分泌、天然保湿因子の量が少なくなっている状態です。これらの原因を改善したり予防する栄養素をしっかり摂ることで、乾燥肌を和らげることができるかもしれません。
積極的に摂りたい栄養素はこちら。
- ビタミンA
- ビタミンB類
- ビタミンC
- ビタミンE
- セラミド
ビタミンAはレバーや人参、ウナギ、乳製品、青魚などに、ビタミンB類は豚肉やレバー、卵、大豆などに多く含まれています。コラーゲンを産生するときに必要なビタミンCは、パプリカやブロッコリー、柿、キウイなどが代表的ですが、調理法によっては失われやすいためこまめに摂取しましょう。
また、ゴマやナッツ類、大豆などに含まれるビタミンEは、シワやたるみを予防する効果も期待できますし、セラミドは角質層の水分を保持する肌に欠かせない栄養素。こんにゃくや大豆、しらたきなどに含まれています。
これらの食材をバランスよく取り入れ、日々の食生活に役立てることがベストですが、忙しい人やさらに効果を実感したい人は、サプリメントを活用するのもいいでしょう。
水分摂取をこまめにする
乾燥肌対策には、水分をしっかり補給することが大切です。1日に1.5〜2Lの水を摂ることが理想とされています。
飲み方のポイントは、こまめに摂ること。一気に水分を摂ると胃液が薄くなって、食べ物を消化しにくくなることも。コップ1杯の水を起床時、毎食時、間食事、入浴後、就寝前などに振り分けて飲むといいかもしれません。
また、冷たい水は体を冷やして血行不良を招いてしまう可能性があるので、なるべく温かい水を飲むようにするとより効果的です。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活は、肌だけでなく健康な体を維持するうえで大切な条件になります。とくに大事なのが、睡眠です。
人の肌は、ターンオーバーというサイクルを繰り返して日々生まれ変わっていますが、このターンオーバーは睡眠時間に行われるため、不十分な睡眠ではうまく新陳代謝が行われず、肌の不調が起こりやすくなるのです。
なるべく“同じ時間に寝て起きる”というサイクルが理想的ですが、もう一つ意識したいのは、質の高い睡眠をとること。毎日たっぷり寝ているという人も、質のいい睡眠がとれていなければ“睡眠不足”と同じです。
就寝前は携帯やパソコンを極力見ないことや、アルコールを摂り過ぎないことを心がけ、リラックスできる環境を整えることが大切です。
まとめ
超乾燥肌の場合、なかなか自分のお肌に合うものを見つけるのが難しいものです。最初はこの化粧水は合うかもしれないと思っていても、使っていくうちに肌荒れを引き起こしてしまったり、乾燥がひどくなったりすることも…。
しかし、「もともと乾燥肌だから何をしても変わらない」ということはありません。肌に合う化粧水を使い、保湿とバリア機能の改善をしっかり行うことで、驚くほど肌状態が良くなったいう例はたくさんあります。
うるおいをしっかりキープして逃がさない、そして自らうるおう肌に近づけるためには、諦めずに日々のスキンケアを丁寧にコツコツ積み重ねていきましょう。