「肌がカサついて、いくら保湿しても乾燥してしまう」「なんだか肌がしぼんだ感じ」…保湿成分の入った化粧品を使っても乾燥肌や敏感肌が改善しないのなら、セラミドが不足しているのかもしれません。
コラーゲン、ヒアルロン酸、アミノ酸などが角質層のうるおいを保つ働きをするのに対して、セラミドには肌のバリア機能を改善する働きがあります。油分で水分をぎゅっと挟み込んで逃がさないのがセラミドの性質です。
この記事では、セラミドの役割や、化粧品に配合されているセラミドの種類と効果、セラミド配合化粧品の選び方を解説し、おすすめのセラミド配合化粧品を紹介します。
Contents
セラミドってどんなもの? 働きは?
セラミドはもともと人の皮膚に存在する成分です。肌は表面から表皮、真皮、皮下組織という構造になっており、うるおった肌というのは、表皮にある角質層が水分で満たされている状態を指します。
角質層で角質細胞同士の間を埋め、細胞と細胞をしっかり結びつけるとともに、肌内部の水分が蒸発するのを防いでくれるのが「細胞間脂質」です。この細胞間脂質はセラミド、脂肪酸、コレステロールなどで構成されています。
細胞間脂質に存在するセラミドはスフィンゴ脂質という脂質の一種で、セラミドの種類は、スフィンゴイドと脂肪酸の組み合わせで12種類、細かく分けると300種類以上もあるとされています。その中で働きが解明されているのは次の7種類です。
- セラミド1(EOP):水分保持機能を高め、バリア機能を高める
- セラミド2(NS):水分を保持する力が強い
- セラミド3(NP):水分保持機能を高める、しわ対策
- セラミド4:バリア機能を高める
- セラミド5、セラミド6:水分保持機能を高める
- セラミド6II(AP): 水分保持機能を高める、ターンオーバーを促進する
- セラミド7 保湿、皮膚常在菌のバランスを整える
セラミドは、ラメラ構造という水分と油分が交互に層をなしている構造を作っています。これが規則正しく配置されていると、油分で水分をぎゅっと挟み込んで逃がさないので、キメが細かくうるおった健康な肌になるのです。
初めに書いたように、これらのセラミドはもともと人間の肌に存在する成分ですが、年齢とともに減少してしまいます。そのため、セラミド配合の基礎化粧品で補うことがバリア機能改善には欠かせません。
化粧品に配合されているセラミドの種類と効果
一口にセラミド配合化粧品と言っても種類はさまさま。化粧品に配合されているセラミドは、大きく分けて以下の4種類です。
化粧品に配合されているセラミドの種類
天然セラミド | 動物由来のセラミド。馬や豚から作られ、ヒトのセラミドと最も似た構造をしています。肌によくなじみ、浸透力が高いです。 |
バイオセラミド (ヒト型セラミド) |
酵母を利用して人のセラミドと同じ化学構造で作られているセラミド。一般的に「ヒト型セラミド」と呼ばれているもの。保湿力・浸透力が高く、刺激が少ないです。 |
植物性セラミド | 米ぬか、小麦胚芽油、コンニャクなどから抽出した植物由来のセラミド。天然・ヒト型セラミドに比べやや浸透力が下がります。 |
疑似セラミド (合成類似セラミド) |
石油原料から化学合成されたセラミド。価格が安いので大量生産しやすく、多くの化粧品に使われていますが、ほかのセラミドと比べて保湿効果は低いとされています。 |
おすすめは、人の肌に存在するセラミドとよく似た構造で肌に浸透しやすい「ヒト型セラミド」です。
ヒト型セラミドは12種類あり、「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」で表示されています。すべてを覚える必要はありませんが、「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」がヒト型セラミドであると理解しておけばよいでしょう。
(※セラミドの科学的名称が「セラミド+数字」から「セラミド+アルファベット」に変更されていますが、改称が段階的に進んでいる状況のため、両者が混在している背景があります。)
4種類のセラミドの成分表示例
- 天然セラミド:ビオセラミド、セレブロシド、ウマスフィンゴ脂質など
- バイオセラミド:「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」
- 植物性セラミド:植物性セラミド、コメヌカスフィンゴ糖物質、グルコシルセラミド
- 疑似セラミド(合成類似セラミド):セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド、ヘキサデシロキシPGヒドロキセチルヘキサデカナミド
セラミド配合化粧品で期待できる効果
セラミド配合化粧品を使ってセラミドを補うことで、以下のような効果が期待できます。
保湿作用とバリア機能強化
セラミドは、ラメラ構造という肌水分と油分が交互に層をなしている構造を支える成分で、油分で水分をぎゅっと挟み込む性質があります。
ラメラ構造がしっかり整うと強力なバリア機能が形成され、角質層の水分が蒸散するのを防ぐと同時に、外部刺激から肌を守ることが可能です。
肌に存在するセラミドは加齢により減少し、50代では20代の約半分になってしまうと言われてますが、セラミド配合化粧品で外側からセラミドを補うことで、角質層の水分を保持することによる保湿作用と、乱れたバリア機能の強化が期待できます。
活性酸素の増加を防ぐ作用
セラミドそのものに直接抗酸化作用があるわけではないのですが、肌のバリア機能を高めることで抗酸化作用を発揮することができます。
乾燥や外部刺激による肌の炎症は肌に活性酸素を増やし、老化の原因になるもの。セラミドでバリア機能を高めることで、活性酸素の増加による酸化を防ぐことができるのです。
セラミド配合化粧品を選ぶポイント
ドラッグストアに行くと、「セラミド配合」と書かれた化粧品がたくさん並んでいます。しかし、セラミドなら何でも良いわけではないことは、ここまで説明してきた通りです。
選ぶなら、肌にもともと存在するセラミドとよく似た形をしていて肌なじみがよく、ほかのセラミドよりも保湿力にすぐれたヒト型セラミド配合化粧品をおすすめします。
セラミドの成分表示をチェック
ヒト型セラミドは12種類あり、「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」で表示されています。「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」と表記されていればヒト型セラミドであると覚えておきましょう。
旧称 | 改正名称 |
セラミド1 | セラミドEOP |
セラミド2 | セラミドNG、セラミドNS |
セラミド3 | セラミドNP |
セラミド5 | セラミドAG |
敏感肌やアトピー性皮膚炎の人は肌のバリア機能が低い状態になっており、外部から異物が侵入しやすくなっています。そのため、健康な肌なら何でもないようなものでも、ピリピリとした刺激を感じたり、アレルギーを起こしたりしてしまうのです。
敏感肌やアトピー性皮膚炎の人は、化粧品でセラミドを補うことで、もろくなったバリア機能の回復・強化が期待できます。
セラミド以外の成分もチェック
セラミドは保湿というより保水する働きがあるので、ほかの保湿成分といっしょに配合されていると、相乗効果を発揮します。肌の乾燥や弾力不足を感じているなら、以下のような成分が配合されているものを選ぶとよいでしょう。
チェックしたい成分
- コラーゲン…肌内部にうるおいを与える
- ヒアルロン酸…肌の水分を保持する
- リピジュア(R)…ヒアルロン酸を超える水分保持力がある
- プラセンタ…肌の再生を促し、肌の弾力を保つ
セラミド化粧水おすすめランキングTOP3
ここからは、肌の保湿に一番適しているとされる成分、セラミドを使った化粧品をいくつかのジャンルごとにランキング紹介していきたいと思います。
まずは、ヒト型セラミド配合のおすすめ化粧水から見ていきましょう。
エッセンローション(ヒフミド)
\ヒト型セラミド1・2・3をトリプル配合/

小林製薬のヒフミド エッセンスローションは、3種類のヒト型セラミド(セラミド1・2・3)を配合した保湿化粧水です。角質層のすみずみまでうるおいで満たされ、手が肌に吸い付く感覚を味わえます。乾燥小じわを目立たなくする効能評価試験済み。
ヒト型セラミドは1種類よりも、1・2・3の3種類を組み合わせた方が肌の水分蒸散を防ぐバリア機能が高いことに着目し、製薬会社の知識と技術の粋を集めて作られています。
少しとろみあるテクスチャーながら、ベタつかず浸透しやすいのも特徴です。
アヤナス ローション コンセントレート(ディセンシア)
\ゆらぎがちな肌のバリア機能をサポート/

敏感肌用スキンケアのディセンシアから発売されているエイジングケア*シリーズ化粧水、アヤナス ローション コンセントレート。
とろみのあるテクスチャーが肌の上ではじけてすっと浸透し、ふっくらとした肌へ導きます。ヒト型セラミドをナノカプセル化した保湿成分「セラミドナノスフィア」が角層に広がり、足りないセラミドを補給。ゆらぎがちな肌のバリア機能をサポートしてくれます。
天然植物から抽出した、ゼラニウムとラベンダーの香りです。
*エイジングケアとは年齢に応じたケアのこと
モイスチャーローション(セルピュア)
\3種類のヒト型セラミドを配合/

皮膚科医監修のドクターズコスメ・セルピュアのモイスチャーローションは、セラミド1(EOP)、セラミド3(NP)、セラミド6(AP)といった3種類のヒト型セラミドを配合した高保湿化粧水です。
プラセンタエキス、アルブチン、ビタミンC誘導体、イソフラボンなどの美容成分も配合されているので、加齢にともなう肌のバリア機能やハリ・弾力の低下が気になる肌のケアに向いています。
セラミド乳液&クリームおすすめランキングTOP3
続いて、ヒト型セラミドが配合された乳液&クリームを紹介します。肌に油分と水分をバランスよく与えられる乳液や油性成分が多く保湿効果が長く続くクリームは、化粧水や美容液とライン使いすることでより保湿効果は高まりますよ。
モイスチャライジングクリーム(エトヴォス)
\5種類のヒト型セラミド配合のクリーム/

エトヴォスのモイスチャライジングクリームは、5種類のヒト型セラミド(セラミドEOP、NG、NP、AG、AP)をバランスよく高濃度で配合した保湿クリーム。
ラメラ構造で肌になじみやすいヒト型セラミドを「カプセル型」にすることで、セラミドが不足している場所にダイレクトに届けられるのが特徴です。
水分保護効果が高いシアバターや、保護膜となって水分蒸発を防ぐクパスバター配合で、肌にうるおいを閉じ込め、しっとりしたやわらかな肌に導いてくれます。
石油系界面活性剤、鉱物油、シリコン、着色料、合成香料、パラベン、アルコール不使用。
ナノ モイストミルク(ドクターベルツ)
\ヒト型セラミドベースのナノ化乳液/

敏感肌向けのナチュラルサイエンスコスメ「ドクターベルツ」のナノ モイストミルクは、美肌菌(肌のうるおい菌=表皮ブドウ球菌)を育てるヒト由来の乳酸菌ラ・フローラを配合したヒト型セラミドベースのナノ化乳液です。
3種のヒト型セラミド(セラミドNP、セラミドNG、セラミドAP)と、5種のエモリエント成分(ヒマワリ種子油、コメ胚芽油、ホホバ種子油、オリーブ果実油、スクワラン)、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンといった美容成分が配合されています。
粒子を小さく(ナノ化)することで角層の奥まで有効成分が効果的に働くのが特徴です。
セラミドミルク(トゥヴェール)
\日本最高濃度のヒト型セラミド4.5%配合の乳液/
トゥヴェールのセラミドミルクは、ヒト型セラミドを日本最高濃度の4.5%配合した乳液。
セラミド1(EOP)、セラミド2(NG)、セラミド3(NP)、セラミド5、セラミド6Ⅱ(AP)の5種類のヒト型セラミドが、バリアそのものを補い、健やかでしなやかな肌へと導きます。
ヒト型セラミド4.5%は業務用のヒト型セラミド原液より高濃度で、しっかり肌にセラミドを補給できるので、何を塗っても乾いてしまう乾燥肌・あれ肌の人に特におすすめです。
セラミド美容液おすすめランキングTOP3
化粧水、乳液&クリーム以外に、ヒト型セラミド配合の美容液も紹介します。普段のスキンケアに+αでさらに美肌を目指したい人はこちらもチェックしてくださいね。
モイスチャライジングセラム(エトヴォス)

エトヴォスのモイスチャライジングセラムは、保湿力の高いヒト型セラミド5種類(セラミドEOP、NG、NP、AG、AP)をバランスよく高濃度で配合した保湿美容液です。
セラミドに加えて、ヒアルロン酸や人の肌にもともと存在する天然保湿因子(NMF)なども配合されており、保湿をサポート。うるおってふっくらキメが整った柔らかな肌に導いてくれます。
石油系界面活性剤、シリコン、パラベン、鉱物油、合成香料、着色料すべて不使用です。
ジェリー アクアリスタ(アスタリフト)
\うるおいの鍵はWヒト型ナノセラミド/

アスタリフトのジェリー アクアリスタは、洗顔後の肌に使うジェル状の先行美容液です。
うるおいをかかえる「ヒト型ナノセラミド(セラミドNP、セラミドAP)」とうるおいを肌にとどめる「ヒト型ナノアシルセラミド(セラミドEOP)」を、富士フイルムの独自技術で世界最小サイズにナノ化してダブルで配合しています。
アスタリフトシリーズ売上No.1を誇り、数々のベストコスメ賞に輝く実力派です。
ノブ Ⅲ バリアコンセントレイト(ノブ)

乾燥肌・敏感肌向け低刺激性スキンケアNOVのノブ Ⅲ バリアコンセントレイトは、肌あれ・乾燥が気になる肌のバリア機能をサポートするセラミド配合の高保湿美容液です。
天然型セラミド(セラミド3)を独自技術で皮膚の細胞間脂質と同じラメラ構造にして配合しているので肌にすばやくなじみ、肌あれ・乾燥によってバリア機能が低下した角層に保湿成分を補います。
無香料・無着色・アルコールフリー・低刺激性。肌あれを防ぐ有効成分グリチルレチン酸ステアリル配合の医薬部外品です。
プチプラのセラミド化粧水おすすめ3選
「セラミド化粧水を使ってみたいけれど、高いものは手が出ない…」
そんな人にもまずはセラミドの良さを知ってもらうために、人気のプチプラセラミド化粧水ランキングも用意してみました。
スキンコンディショナー 高保湿(セザンヌ)
\ひたひたコットンパックにも◎/

セザンヌのスキンコンディショナー高保湿は、乾燥から肌を守る高保湿セラミド化粧水。
割合は少なめですが、ヒト型セラミド3種類(セラミドAP・セラミドNP・セラミドEOP)のほか、ヒアルロン酸、アミノ酸が配合されています。500mL(約4か月分)の大容量でこの価格は、かなりコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
4つのフリー処方(無香料・無着色・無鉱物油・アルコールフリー)、弱酸性です。
リッツ モイスト ローション(リッツ)
\しっとりなのにベタつかないローション/
リッツ モイスト ローションは、3種類のヒト型セラミド(セラミドNP、セラミドNG、セラミドAP)を配合した保湿化粧水です。
肌内部の水分蒸発を防ぐエクトインや、ターンオーバーのカギとなるプロテオグリカンも配合しているので、セラミドで補った肌の潤いをしっかりたくわえて逃しません。
セラミド、エクトイン、プロテオグリカンが2倍量入ったリッチタイプもあります。
肌をうるおす 保湿浸透水 モイストリッチ(松山油脂)
\とろみのある質感で肌になめらかになじむ/

松山油脂の肌をうるおす 保湿浸透水 モイストリッチは、とろみのある質感で肌になめらかになじんで、うるおいを与える高保湿化粧水です。
5種類のヒト型セラミド(セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド5、セラミド6Ⅱ)に加え、イソフラボンを豊富に含む大豆種子エキス、肌表面に水分を保つ2種類のヒアルロン酸を配合しています。
アルコール(エタノール)・パラベン・香料・着色料・鉱物油不使用。
セラミドを体内から補給する方法
セラミドが働くのは肌表面に近い表皮の角質層なので、スキンケアで補いやすいですが、食品やサプリで体内から補給することでもセラミドを増やせると言われています。
食べ物から補給する
セラミドは植物セラミドの原料になる食品に多く含まれています。米、小麦胚芽、大豆、コンニャクなど。そのほかに牛乳や黒豆、小豆、わかめ、ゴボウなどにも多いです。
特にコンニャクには植物性グルコシルセラミドが米や小麦の約10倍も含まれています。セラミドの1日に必要な摂取量は600μg~1200μgとされ、コンニャクならば半丁(100g)で摂取可能です。
セラミドを含む食品を摂取すると腸で吸収され、一度分解されてスフィンゴシンや脂肪酸になります。スフォンゴシンは血流に乗って角質層に到達、セラミドの産生を促すことで肌のセラミドが再合成されるという仕組みです。
サプリメントを摂る
食品で摂ったセラミドはすべてが体内で利用されるわけではなく、吸収されずに排出されるものもあります。そのため、食事では多めに摂ることも必要になりますが、1日の摂取量を食事だけで補うのはなかなか大変です。
セラミド配合のサプリメントなら、効率的にセラミドを補給できます。サプリに配合されるセラミドの原料は、米やトウモロコシ、コンニャクなどさまざま。セラミドだけでなく美容成分も入っていて、総合的な美肌効果が期待できるものが良いでしょう。
まとめ:セラミド化粧品でうるおったふっくら肌へ
この記事では、セラミドがどんなもので、どのような働きをしているか、化粧品に配合されているセラミドの種類と効果などを解説し、おすすめのセラミド配合化粧品(化粧水、乳液&クリーム、美容液)を紹介しました。
肌にいくら水分を与えてもすぐに乾燥してカサカサになってしまったり、刺激を感じやすくなってしまっているなら、肌のバリア機能が低下している可能性が高いです。
油分で水分をぎゅっと挟み込んで逃がさない性質を持つセラミドを補って、バリア機能を回復させ、ふっくらうるおった肌を目指しましょう。
セラミド化粧品の中でも、人の肌にもともと存在するセラミドに近く、肌になじみやすいヒト型セラミドが特におすすめというのは、この記事で説明した通り。
ランキングを参考にヒト型セラミド配合化粧品をぜひ試してみてくださいね。